伝統色を楽しもう 緑色
カラーのチカラであなたを笑顔にする、サイ・カラーセラピスト菅野かおりです。
サイ・カラーセラピーで使用している12色を中心に、日本の美しい自然からうまれた色名を
お伝えしていきます。
第5回目は「緑色」
草や木の葉の色として身近にある色ですが、天然の植物染料には純粋な緑色を染めるものがありません。
そのため、藍と黄はだ、藍と苅安(かりやす)というように青と黄を重ねて染めてきました。
そのような工夫をしてまで、古代の人々は生い茂る草木の生命力を感じさせる緑色を求めたのです。
ただし、平安中期以降、「緑」という色名はあまり使われませんでした。
やや黄みのある緑を「萌葱色(もえぎいろ)」といい、葱の萌え出る色から生まれました。
新鮮な生命力と瑞々しさを感じさせる色彩で、若者の着衣の色とされていたそうです。
松の葉に似た色ということから「松葉色」という色名は平安時代から使われていました。
松は常緑樹で、どこでも見られる身近な樹木です。
生長力が盛んで、縁起の良い樹木として門松にも使われています。
美しい鳥の羽色からきている色名もあります。
黄みの強い萌葱色の鶸(ひわ)という鳥が由来の「鶸色(ひわいろ)」、
渋い黄緑色の鶯(うぐいす)が由来の「鶯色(うぐいすいろ)」です。
生命力と永遠の象徴として、多くの国から愛されていた緑色です。
次回もどうぞお楽しみに。
0コメント