伝統色を楽しもう 紫色
カラーのチカラであなたを笑顔にする、サイ・カラーセラピスト菅野かおりです。
サイ・カラーセラピーで使用している12色を中心に、日本の美しい自然からうまれた色名を
お伝えしていきます。
第6回目は「紫」。
「紫」は、古代から高貴な色でした。
それは、紫の染料の紫草(むらさきぐさ)の育成は難しく、また染色にも手間がかかるなどの
貴重性があったからです。
紫草の根、紫根(しこん)は、きわめて揮発性が高く、紫根を薄い和紙に包んでおくと、
和紙の紫根にふれた部分は色が移って、淡く染まってしまいます。
平安の王朝人たちは「紫」を「ゆかりの色」とも呼びました。
それは想う人に、その「紫」のように自分の色を移して匂うばかりに染めたい、という
思いからでした。
ロマンチックで優雅なエピソードです。
紫根で染めた濃厚な暗紫色の「紫根色(しこんいろ)」は、たいそう手間のかかる染色で、
庶民には無縁のものでした。
また、濃淡さまざまな色調があり、紫根の量を多く濃く染めると「深紫(ふかむらさき)」、
量を少なく浅く染めると「浅紫(あさむらさき)」という色名になります。
紫根には薬効があり、胃腸薬、皮膚病薬などとしても使われていました。
病気の治癒に使われていたことが癒しの色につながっているのかもしれませんね。
次回もどうぞお楽しみに。
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